2009年12月6日日曜日

うつ病

現在でこそ一般にも広く知れ渡っている病気であるが、以前は十分な理解が得られず「怠け病」などと呼ばれていた。

かつて日本で主流であったドイツ精神医学では、精神疾患を大きく外因性、内因性、心因性と原因別に分類し、うつ病はその中でも内因性うつ病という名で内因性疾患に分類されていた。

アメリカ合衆国の操作的診断基準であるDSM-IV-TRでは、「大うつ病性障害」(英語:major depression)と呼ばれている。majorを「大」と訳しているので誤解を生じやすいが、これは落ち込む程度の大、小のことではなく、「主要な」あるいは、「中心的な」という意味でのmajorである。「(小)うつは病気ではないが、社会生活に支障をきたすほどうつが悪化すると、これは精神疾患である。」という意味ではない。DSM-IV-TRでは、症状の重症度について別の基準で評価することになっている。

うつ病は、従来診断においては「こころの病気」である神経症性のうつ病と、「脳の病気」である内因性うつ病と別々に分類されてきたが、現在多用されている操作的診断では原因を問わないため、うつ病は脳と心の両面から起こるとされている。

「脳の病気」という面では、セロトニンやアドレナリンの不足が想定されており、脳内に不足している脳内物質(ドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニンなど)の分泌を促進させる薬物治療を行う。これが心療内科や精神科におけるうつ病治療の主流になっている。

あまり生活に支障をきたさないような軽症例から、自殺企図など生命に関わるような重症例まで存在する。うつ病を反復する症例では、20年間の経過観察で自殺率が10%程度とされている。

なお、男女比では、男性より女性のほうが2倍ほどうつ病になりやすいとされている


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